東アジアは、20世紀後半以降に高度経済成長を実現し、アジアの発展を牽引してきた地域であると同時に、環境汚染や少子高齢化など、アジアのなかの「課題先進地域」でもあります。こうした東アジアについて、多様な視角から理解を深めましょう。

教員

岩間 一弘

文学部教授。博士(学術、東京大学)。東アジア近現代史、食の文化交流史、中国都市史。近年は、ナショナリズム、帝国主義、地域アイデンティティなどの観点から、近現代における中華料理、和食、Kフードの形成について考えています。主要著作:『上海大衆の誕生と変貌――近代新中間層の消費・動員・イベント』東京大学出版会,2012年。『中国料理と近現代日本―食と嗜好の文化交流史』編著著、慶應義塾大学出版会、2019年。『中国料理の世界史―美食のナショナリズムをこえて』慶應義塾大学出版会、2021年。

加島 潤

経済学部教授。東京大学 博士(文学)。中国近現代経済史。19世紀後半以降の中国の工業化や経済発展に対して、20世紀半ばの社会主義体制の導入という制度変化がどのような影響を与えたのかについて研究しています。主要著作:『社会主義体制下の上海経済――計画経済と公有化のインパクト』東京大学出版会、2018年。『統計でみる中国近現代経済史』共著、東京大学出版会、2016年。『冷戦期東アジアの経済発展――中国と台湾』共編著、晃洋書房、2024年。

菅野 智博

経済学部(日吉)准教授。一橋大学博士(社会学)。専門は中国近現代史、東アジア近現代史。「満洲」をフィールドに、特に現地の人びとの生活や行動原理から見えてくる地域社会のあり方について研究しています。また、かつて「満洲」で暮らした日本人の戦後記憶形成と表象についても注目しています。主要著作:『満洲の農村社会――流動する労働力と農家経営』慶應義塾大学出版会、2025年。『戦後日本の満洲記憶』共編、東方書店、2020年。『崩壊と復興の時代――戦後満洲日本人日記集』共編著、東方書店、2022年。

呉 茂松 

経済学部教授。慶應義塾大学 博士(法学)。政治学・現代中国論・知識人と近代化。人々の権利意識、権利擁護をめぐる行動、その政治への影響について研究してきました。現在は、市民の主体性の模索における知識人の役割と限界について研究しています。民族と国家に纏わる問題群、戦争被害者と加害者の複雑な倫理と論理、近代性の時差と多様な表象、イデオロギーに関わる緊張関係、複文化と多言語の創造性などを日常の中で感じ、思考しています。主要著作:現代中国の維権運動と国家』(単著、2014年)、『現代中国の国家形成』(共著、2024年)、『陳情:中国社会の底辺から』(共著、2012年)『現代中国の政治外交の原点』(共著、2013年)、『中国の都市化』(共著、2015年)、『中国共産党のサバイバル戦略』(共著、2012年)、『党国体制の現在:変容する社会と中国共産党の適応』(共著、2012年)、『中国:基層からのガバナンス』(共著、2010年)など。

髙木 丈也

総合政策学部専任講師。博士(文学、東京大学)。博士論文は日本語と朝鮮語(韓国語)の談話分析をテーマに書きましたが、近年は中国朝鮮族の方言やコミュニティ、日本・韓国の対外言語政策について研究を行っています。朝鮮語という東アジアの一地域の言語の諸相を通じて、世界の人々の暮らしや文化、社会について考えています。主要著作:『日本語と朝鮮語の談話における形式と機能の関係-中途終了発話文の出現を中心に-』三元社, 2018年、『中国朝鮮族の言語使用と意識』くろしお出版, 2019年、『北朝鮮を解剖する 政治・経済から芸術文化まで』共著, 慶應義塾大学出版会, 2024年。2016年朝鮮学会研究奨励賞受賞。

鄭浩瀾 Haolan Zheng

総合政策学部准教授。慶應義塾大学博士(政策・メディア)。中国近現代史、中国地域研究、歴史社会学。近年は、村落に視点を置いて20世紀中国農村社会の変動を研究しています。民衆の日常生活と政治との関係やジェンダー史、児童史についても研究を行っています。主要著作:『中国農村社会と革命』単著、慶應義塾大学出版会、2009年。『毛沢東時代の政治運動と民衆の日常』共編著、慶應義塾大学出版会、2021年。『革命と親密性:毛沢東時代の「日常政治」』編著、東方書店、2024年。『流動する中国社会:疎外と連帯』編著、慶應義塾大学出版会、2025年。2010年、第26回大平正芳記念賞受賞。

トーマス・バレット Thomas P. Barrett

法学部専任講師。オックスフォード大学D.Phil(東洋学)。近世・近代中国の政治外交史、東アジア国際関係史。ここ数年、清朝が西欧に根ざす「近代外交」をどのように自家薬籠中のものとし、その受容過程がどのような葛藤をもたらしたかについて、さまざまな角度から研究を行っています。主要業績:‘Qing Diplomacy’s Scottish Face: Halliday Macartney, Yamen Culture, and Diplomatic Transformation in China’s London Legation, 1877-1905’, Late Imperial China 45 (2024)、「D.B.マッカーティと『琉球処分』問題——清朝在外公館における外国人館員の私的活動とその意義をめぐって」『史学雑誌』第131編第2号、2022年、「清朝在外公館における西洋人スタッフの外交活動に関する考察——清仏戦争時のハリデー・マカートニーの活動を中心に」『東洋学報』第100巻第3号、2018年など。2023年、第10回史学会賞、王立アジア協会のベイリー賞(Royal Asiatic Society of Great Britain and Ireland 2023 Bayly Prize)を受賞。

松沢裕作

経済学部教授 博士(文学、東京大学)。19世紀から20世紀初頭の日本社会を対象に、地域社会構造の変動を踏まえつつ、地方制度、村落結合、貧困やジェンダーといったトピックについて研究しています。また、歴史学方法論・史学史についての研究もおこなっています。主要著作:『明治地方自治体制の起源』(東京大学出版会、2009年)、『日本近代社会史』(有斐閣、2022年)、『日本近代村落の起源』(岩波書店、2022年)、『歴史学はこう考える』(ちくま新書、2024年)など。